
毎年見ている里の人達も、今年の藤の花の絢爛な美しさと、かぐわしい香りには、思わず足を止め、タメ息をつきながら見とれています。
あたりはまるで、夢の世界。妖艶な花々の間から、いまにも花の精があらわれて来そうです。
けれども私はいつも、この華麗な花よりも、花を支える木に惹かれます。
藤は蔓性の植物なので、自分だけで大地に立つことはできず、何かしっかりと安定したものに巻きつき、それに支えてもらわなければ、生きていくことはできません。なのでたいていは、大きくしっかりとした木に頼って、花を咲かせます。
一方、巻き付かれた木は?
時折、咲き誇る花をつりさげた蔓に巻き付かれ、それでもすっくと立っている木が、とても苦しそうに見えることがあります。でも木は、巻きつかれ、ともすれば締めつけられながらも、この麗しい花を咲かせる植物を支え続けています。何の苦情を言うこともなく、自慢することもなく、ただただ、藤と一体になって生きています。
いつもこの時期になると、蔓を支える木の優しさ、辛抱強さに感嘆しつつ、藤に花を眺めています。















